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2008年11月

2008年11月17日 (月)

CANON FD80-200mmF4 S.S.C.

キヤノンの旧FD望遠ズーム。F値4固定、最短撮影距離1mと高性能なレンズ。お値段もカタログでは10万円と高価。そんなレンズもここ最近の中古価格は寂しい限り。補正レンズなしアダプタでデジタルで使えないことが原因でしょうか。

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安い中古価格に比例すべくジャンク品ともなれば可哀そうなくらい安くなってしまいます。そんなに安くならなくてもと思いますが、レンズのカビや曇り、絞り油浮き、さらにズームリングのガタとくれば納得の価格。致仕方ありません。

というわけで本レンズはその症状のジャンク品でありましたが、出てくる絵は特に問題ありませんで、そのままでもOKでしたが、やっぱり気持ち悪いので分解修理することにしました。

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分解した部品。こんなところまで分解でき、絞りまで取り出せます。

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レンズはご覧の通り。絞りは油浮き。ですが重症ではありません。

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マウント側の分解の図。後玉ユニットに絞り機構が組み込まれています。分解は特に難しい部分はないのですが、絞りのクリック用のスチールボールが2つありますので、これをなくさない(中のスプリングも)ようにすることです。透明のビニール袋の中で作業するなどしましょう。あ~あとAE切り替えピンがありますので、これにもスプリングがあるので注意が必要です。

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ユニットの各リングゆるめれば内部のレンズも掃除できます。恐らくどの個体にもケガキ線があると思いますので、各リングがその位置にくるように組み立てます。この個体は内部のレンズは綺麗でしたので分解はぜず、絞りの直後のレンズのみクリーニングしました。それから各所緩み止めがありますので、組み立て時も同じように緩み止めしておきましょう。絞りはユニットごとベンジン流しの洗浄です。

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レンズマウント側を組立ます。後玉ユニットを鏡筒にセットしてイモネジで固定します。きちんと分解時の位置になるようにですね。イモネジのところは緩み止めします。絞りリングを組み込む際、スチールボールをセットしますが、上画像のようにスチールボールを置いて、ボールを押さえながら絞りリングを回します。反対側も同じやりかたでボールをセットします。AE信号ピンを取り付けます。最後に締め付けリングを取り付けます。付随する絞り連動アームを内部の所定のガイドに入るようにします。これでマウント側はOK。動作確認のためボディに取り付けて絞りが正しく動作するか確認しましょう。

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さあ前玉側を組立ましょう。ズームリングのガタですが、上画像のズームリングから出ているガイドにあるビスにプラリングがあるのですが、これが朽ちて隙間ができるためです。同じ部品はないので油に強いゴムチューブを切り取って挟んでおきました。これで一応ガタもなく動きもスムーズになりました。それから古いグリス(このレンズの絞りの油浮、レンズの曇りの原因物質でしょうか?)はすべて除去して、新たに少量モリブデングリスを塗っておきました。

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絞り機構の手前のレンズ。中玉ユニット(第3群レンズ)の取り付けです。上画像の隅に貼り付けましたが、コマの部分はこんな感じになっています。組み込みはちょっとしたコツが必要です。レンズを入れる際、鏡筒内側の溝に沿って縦に差し込みます。入口が狭いんですね。中に入れてから回転させます。ちなみに私はここで手が滑って中に落としてしまい、絞り直後のレンズ(第4群)に少し傷をつけてしまいました(涙)。

このユニット押さえの金具(正式名称?)についているコマにもプラが使われていて朽ち果てていました。これも取り除いておきましたが、代用品がないため隙間はできたままです。少しガタが発生していますが実用上支障なさそうなのでこれでOKとしておきます。

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先にベースの枠を取り付け、中玉ユニット(第2群)を取り付けます。難しい部分はありません。ユニット押さえの金具のコマも痛んでいましたが、まだ原型は留めていたので、そのまま取り付けました。

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最後の仕上げですが、ここがちょっと難しいところです。画像にうまく撮れませんでしたので言葉で説明してみます(あんまりうまく説明できませんですが:汗)。まあ実際にやってみて仕組みをよく理解すれば何ら問題なく組み込みできるでしょう。

上画像はピントリング類を組み込んだところです。内部のガイドが2つある筒を大体この位置になるようにして、リングで固定します。その際矢印の部分のスリ割りにレンズ側のビスが入るようにします。入らないと所定の位置ではないということです。

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前玉ユニット(第1群)を取り付けます。その際は内部の2つのガイドにそって差し込んでから(微妙にガイドの幅が違います)外側の筒を回します。その際にはレンズ開口部のフード取り付け位置が正規の位置(上は溝がありますね)のままねじ込んで行きます。うまくできると上画像のようにフードの先端とと前玉ユニットの傾斜部分が大体同じになります。

無限の調整をしてピントリングをイモネジで固定します。無限はボディに取り付け遠くの景色で合わせましたが、このレンズは無限位置を超えて3mmほど行きすぎますので、自分の好みの位置を無限としてよいでしょう。ズームリングも動かしてピント位置が動かないことも確認しましょう。すべてOKならピントのゴムリングを取り付けて完成です。

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そうそうもう1点失敗したのですが、後玉も少し傷をつけました。締め付けリングユニットについている絞り連動アームの先端を差し込む際、誤って後玉にぶつけてしまいました。気をつけないといけませんね。反省です。

まあそれでも綺麗になりましたから使ってみましょう。先日のタムロンレンズと一緒に使ってきましょう。

○試写を追記します(2008/11/22)。

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_canon/jwc_test_20081121_fd80_200f4_01.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_canon/jwc_test_20081121_fd80_200f4_02.html

描写に不満なく良いレンズです。使い勝手もおおむね良かったですけど1点だけ。若干ヘリコイドが重く感じました。ちょっと調整したいなぁという気持ちでいます。

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2008年11月16日 (日)

TAMRON SP90mmF2.5

タムロンのSP90mmF2.5。スーパーテレマクロ90 Model 52Bとカタログにありますが、タムロンには商品名のほかにモデル名が付いています。

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SPシリーズでは評判の良いレンズになりますが、SP180mmも良いとききます。私も欲しかったレンズですが、タムロンのレンズはあまり使ったことがありません。

入手のレンズの状態は、内部レンズの若干の曇りと、レンズ開口部エッジに当たり(上画像)です。とりあえずレンズは分解してクリーニング。当たりは・・・難しそうですが、ちょっとだけ手をつけてみました。それと大したことではありません(もうお気づきでしょうか)がレンズ鏡筒の塗装が一部薄くなっています。これは日に焼けたのが原因でしょうか?地金の色っぽくなっています。

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レンズの掃除は前玉側から作業します。特に難しい部分はないです。飾りリングを(ゴムアダプタなどで)外します。ビス4本を外すと上画像のように前玉がユニットごとごっそり抜けます。このユニットには絞りも入っています。ユニット内部のレンズは各部リングなどゆるめてレンズを掃除することになります。

注意点としては上画像の押さえ金具の位置と前玉ユニットの位置をケガキしておくことです。再現性はあるものの絞りの開き具合に影響するので、ケガキは忘れずにですね。

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エッジの当たり。案外目立ちますが平らにしてあげようと思います。反対側から叩いて出して、上画像のようにパテをもって平に削り、艶消し黒を少量筆塗りしただけです。目立つ目立たないで行くと、やっぱそのままでよかったかも知れませんね(苦笑)。塗装するんだったらスプレーで全体塗装なら完璧なんでしょうけど、他の部分の質感が良く塗装したらもったいないと思い止めました。

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FDマウント(アダプトール2付き)なんでCANON AE-1Pと組み合わせて使ってきましょう。試写結果はまた後日UPします。

○追記の試写です(2008/11/22)。

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_tamron/jwc_test_20081121_sp90f25_01.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_tamron/jwc_test_20081121_sp90f25_02.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_tamron/jwc_test_20081121_sp90f25_03.html

逆光ではコントラストが悪くなりますが、うまくハレギレをすると良くなります。フレアは目立ちません。あまり絞って使っていませんが解像感もあります。ボケも癖なく良い印象です。

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2008年11月15日 (土)

CANON AE-1P 鳴き修理とちょい再塗装

キヤノンのAE-1P。ブラックボディ。比較的綺麗なボディなのですが、目立つ錆びもあるしお決まりの鳴きも出ていますので、その2点を改善してあげることにしました。

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「鳴き」修理での分解手順は市販の本に詳しく解説されていますので、注油するところの画像UPしておきます。

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画像の四角の部分のギアの油切れ。ここに注油です。ほんの少量で十分。私はすべてのギアに注しましたが、一番上の金属ギアだけでも大丈夫かも知れません。1個ずつ注油と組み立てを繰り返して鳴きが無くなるか確認しながら最適な場所を見つけるのも良いかと思いますが、それなりに(分解組立時の破損などの)リスクがあるので、私は全部にしています(注油オーバーもありますが)。せっかく動作しているものなんで。

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ボディ左側の錆びです。なんでこんなところだけ錆びるのか不明ですが、錆びを落として塗装します。

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ビス3本を外すとカバーが取り外せます。裏蓋開閉レバーの金具にスペーサが入っていますので確保します。

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耐水ペーパーで擦って錆びを落としました。全体を落そうかとも思ったのですが面倒なんでやめました(笑)。

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塗装後、ボディに取り付けたものです。塗装は下地塗装と黒のラッカーです。塗装後、オーブンで30分ほど焼きました。熱のかけ具合にちょっと失敗して斑ができました(焼付け塗装について誤解があるとのコメントを頂きました。私の紹介した方法では塗装が劣化するだけとのことですので、この塗装記事については参考になさらないでください。詳しくはコメントを参照願います。)が、中古カメラっぽくてよいかもと実に身勝手な理由で「良し」としました(笑)。

このボディはモルトがほとんど痛んでいませんでした。一ヵ所だけ裏蓋のヒンジ部分だけ少しベトついていたので剥がしましたが、鳴き修理で分解しても内部のモルトは新品状態で綺麗です。分解痕は見当たらないので、きっとこれはプロの修理屋さんが一度OHしているのに違いない、とまた勝手に想像して「さすがプロの仕事は違うなぁ」と一人で感心しているのであります。

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2008年11月 8日 (土)

NIKON N.K.J. NIKKOR-H Auto 50mmF2

ニコンの1960年代の標準レンズ。入手時かなりのジャンク度。絞りはまったく動かず、ピントリングも途中までしか回転せず、落下によると思われる打ち傷などが多く、正直使い物にならない代物でしたが、レンズはカビなく綺麗なので機械的な不具合を解決すればなんとかなるかもと思い拾ってきました。

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上画像は修理完了後のものです。外観の汚れも(まっくろ状態だった:汗)綺麗に落としてあげました。兄弟のレンズと記念にならべてみました。

さて修理ですが分解行程は折り返しから画像にしました。行きは原因を探りながらでしたので画像はありません。分解の参考になさる場合は最後からご覧になってくださいね(笑)。

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絞りが動かないのは絞りリングにある「連動ビス」が欠落して居たためかと思ったのですが、分解してみるとそうではないことが分かりました。上画像はマウントを分離したところですが、そうすると筒の内側にある絞り連動リングが外せるようになります。これがとっても硬くて、かなりの力を入れないと動きません。原因は2つ。古いグリスの固着と落下による筒の歪み。やっとのことで外して古いグリスをすべて除去。モリブデングリスを塗って再組み込み。回転にムラがありますがなんとか動くようです。筒の歪みは直せませんのでこれで良しとします。

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ピントリングのベースの部分をねじ込みます。分解時に外れる位置をケガキしておきましたので、そこから捻じ込みます。もともとあったケガキ線がありますがそれは無視です。あくまでも自分で付けた印です(この個体の場合もともとのケガキ位置はまったく参考になりませんでした)。ちなみにピントリングが回らなかったのは、このリングのグリス固着のためでしたので、古いグリスはすべて除去してグリスアップしてスムーズに動くようになりました。

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内側のリングをねじ込みます。これはレンズユニットの入る筒です。これも分解時にケガキしておいた位置からねじ込みます。

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ガイドキーを取り付けます。プラスチックの部品ですが摩耗はないですね。もともとグリスが少し塗ってありました。

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キーにガイドを取り付けました。取り付けるのは内側のレンズユニットが入る筒です。それぞれ穴の位置を参考にしてください。

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絞りリングを取り付けます。連動ビスは市販の精密ビスを使い先端を少し細く削りました。このビスの先が本体側のキーに入る格好になります。

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絞りリングはきつくなる根本までねじ込んでから1回転くらい戻した状態でビスを取り付けます。根本までねじ込んだ状態で連動ビスを取り付けると絞りリングが動かなくなります。

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レンズユニットを筒に取り付けます。内側にキーが2つありますので、それぞれに合わせて差し込みます。幅の広いキーは絞り込みレバーの連動キーですが、そのまま差し込んだのではしっくりはまりません。絞りリングを最少のF16に合わせ、レンズユニットの絞りも最少絞りの位置、そして差し込みながらマウント側の絞り連動レバーを上に動かすとすんなり入ります。

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入るとこんな感じですね。外周のビスを取り付けます。

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ヘリコイドのベースにストッパーを取り付けます。

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ピントリングを取り付けます。

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フィルター枠を取り付けます。最短撮影距離にしておき上画像のイモネジで固定します。

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最後にレンズの銘板を取り付けて完成です。ボディに取り付けて動作確認。まったく問題ないですね。とりあえず無限も出ているようなのでこれで使えます。あとで使ってみましょう。試写結果はまた後日ということで。

○追記の試写です(2008/11/13)。

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_nikon/jwc_test_20081113_nikkor_h_50f2_01.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_nikon/jwc_test_20081113_nikkor_h_50f2_02.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_nikon/jwc_test_20081113_nikkor_h_50f2_03.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_nikon/jwc_test_20081113_nikkor_h_50f2_04.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_nikon/jwc_test_20081113_nikkor_h_50f2_05.html

全てキヤノンのデジタル一眼での撮影です。RAWで撮って現像時にコントラストなど調整して加工しています。

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2008年11月 2日 (日)

MINOLTA α-SweetII

ミノルタα-SweetII。アルファは機種依存文字かな?化け文字になっても読めるようにアルファスイートIIと書いてもおきましょうかね(笑)。ジャンク品として入手したものですが、特に機能的な不具合はなくすこぶる調子がよいです。しかしですね~、お外で使うのにはちょいと気が引けてしまうことがあって(これがジャンク理由の一つ。他は落下品と思われTOPカバーの一部に少しヒビが入ってますが目立ちません)今回はそれを解決してあげました。

Jwc_test_20081102_minolta_a_sweet2_

画像を見てお気づきですね。本来は機種銘板が左肩にあるのですがそれが欠落していたんです。これがないとやっぱり格好が付きません。復元するにも元々のものはメタリックな銘板なものでとてもマネできるものではありませんし、ニコイチするジャンク品もありませんでしたから、とりあえず持っている材料を使っての復元になりました。

材料は修理で余った端切れの張り皮を同じ寸法に切ってボンドで貼り付けました。最初はこれだけで終わりだったのですが、眺めてみるとのっぺらぼうで少々寂しかったので、「アルファ」文字でも貼り付てあげることにしました。

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で貼り付けた文字。ちゃんと盛り上がっているんですね~この文字。これはミノルタα7000のボディから型取りして造形したものです。やっぱり平面よりも立体の方が高級感が出ます。高級機などプリントではなく彫りこんである所に墨入れしているのと同じです。そんなわけでもってペイントもしてあげました。筆塗りなんでゴツゴツしてますがぱっと見わかりません(いやわかるよ:笑)。赤色にしたのはレンズの「AF」の彫りこみ文字が赤だったので色を合わせました(ホントはFM10のグリップ修理のときに使った塗料があったんで)。AF-アルファの色がいっしょなんで似合ってると思うのですがどうですかね?

これで終了。こんな簡単な工作で使う気になれるのですから人間(私のこと)の感覚とは面白いものなんですね。しかもたった1時間の作業ですが妙に愛着が湧きます。夜TVを見ながらず~っといじってたりします。こういう精神状態で写真を撮りに行けば楽しく撮影ができるし、さらに良い作品が撮れるような気もしてくるんですね。カメラが変わっても気分よくても技術は変わらないんですが(笑)。

では使ってきましょう。試写結果はまた後日。

○追記の試写です(2008/11/08)。

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_minolta/jwc_test_20081108_minolta_a_sweet2_01.html

http://junkworldconn.cocolog-nifty.com/photos/gallery_minolta/jwc_test_20081108_minolta_a_sweet2_02.html

私の手には少し小さなボディですが軽快に撮影できます。このミノルタの標準レンズは初代のものですが古くても良い写りだと思います。

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